10月怪物月間, 一次創作ハロウィン怪物月間2018 2020-11-012023-10-20 by moumi 2018年10月1日 今年もやってきましたねこの季節。昨年序盤で力尽きた創り手が今年はどこまで粘れるか見ものでございます。もし完走した暁には拍手を頂ければ創り手も歓喜の極み。 おっかなびっくりへっぴり腰での開幕でございます。今しばらくお付き合いくださいませ。 2018年10月2日 おらどけ、そらどけ、その首飛ばされたくなきゃ道開けな。あたしの仕事の邪魔をすんじゃないよ。右目の先にちゃぁんと跳ねる首を捕らえてんだからさ。さあ、どいたどいた! 2018年10月3日 私が見える人間が何かを握りしめながら胸で十字をきって祈りを捧げていきます。私は天使ではなく只ここに在るだけなのですが、祈る行為自体に目的を持ってそれを達成している彼らには、私がいったい何なのかなど関係ないのでしょう。 2018年10月4日 あらお兄さん、あたしが見えるの?じゃあ話が早い。この辺りに出来損ないが居るらしいんだけど知らない?あたしが見えるならソイツもお兄さん見えると思うんだけど──そうそう今思い浮かべた奴よ。ありがとうお兄さん。 ん?どうするのかって?食べるのよ。 2018年10月5日 あ!?…やってしまった…。 調子悪いからって引っ張ったら加減間違って千切ってしまった……。どうしよう…博士に怒られるだけで済むだろうか? 前の時みたいに身体バラバラにされてそこら中にばらまかれて、意識だけ移植された犬の姿で身体探すのは勘弁して欲しいんだが… 2018年10月6日 良い日和ですね。 こんな森の奥深くまで何かお探しで?といっても、私も今朝この姿になったばかりでお役に立てかは分かりませんが… ほう、妹さんをお探しで。 うーん、もしかしたら、私や仲間が苗床にしたモノが妹さんかもしれませんね。 案内しましょうか? 2018年10月7日 さてお前がまだ人形でいられるのは博士が「待て」と言ったからだ。 頂いた身体をぞんざいに扱いおって、今すぐにでもばらばらに引きちぎってやろうと言うのになぁ。 何やら博士が準備しているが、あの顔は前より面白いことを思い付いている顔だぞ?どうなることやら…… 2018年10月8日 何がみたい?お前の視たいものを見せよう。 望むがまま、視たい世界へお前を送り出そう。 対価があるだろうって? これはあたしの道楽だから対価という訳でもないんだが…、視たいものをみた終いには、お前の最も視たくない世界も視てもらうくらいかねぇ… 2018年10月9日 ちょっとそこ行くお人。ご主人に貴方を連れてくる様に申し付けられてましてね。同行願えますか? ふふっ、猫が喋っているのが珍しいですか?こんなモノが入っているのはもっと珍しいでしょう? 腕や足が欠ける程度は許されるのですが出来れば怪我なくお連れしたいのですが、ねぇ? 2018年10月10日 温室にまた新しい住人が増えていた。歌が聞こえだしたのは今年の春。その頃は窓を開けていたから外から聞こえていると勝手に思い込んでいた。 日によって聞こえる歌声は男性であったり女性であったり子供だったり老人だったり様々だ。 もしかしたら彼とは会話ができるかもしれない 2018年10月11日 わたしの愛用している石鹸が夜中にシャボンをしているようなのだ。朝風呂場の戸を開けると、大好きな石鹸の香りとふわふわと漂うシャボン玉に迎えられること数回。 件の石鹸を買っている、手作り石鹸のお店の人にそれとなく聞いてみると「時々できちゃうのよね」とのことだった。 2018年10月12日 それに出会ったとして、言葉を発してはいけない。それは精神を読むからだ。 声音と精神のズレが大きいと、それは丸のみにして吸収し理解しようとしてくるのだ。だから下手に言葉をかけないことをお勧めする。 2018年10月13日 出してくれないか? コイツの思考媒体として捕まってこんな様だ。コイツ動きゃしないから暇で暇で仕方がないんだ。 出す方法が分からないって?…お前視えるだけか。期待させやがって。 まあいいか。時々で構わないから、話し相手になれ。今はそれで満足しといてやる。 2018年10月14日 彼女は「眠りに落ちるように、わたしも大地に堕ちて染み込んでしまいたい。大いなる循環の一部になりたい」という願望を持っている。 大地に降りられない彼女の眠りを誰も妨げることはできない。 2018年10月15日 「あら、あんなところにオタケビがいるね」 「オタケビ?」 「何処かの誰かの圧し殺してる感情が独り歩きで叫びながら体を散らしていくの」 「散らしてる?」 「体が散り散りになって、最後にひと声響かせたら消えていなくなるのよ。ただそれだけ。」 2018年10月16日 おや、可愛らしいお人ですね。 ──願い事ですか? 申し訳ありません、私は力が強くはないので願い事を叶える力は無いのです。がっかりしたでしょう? 私にできるのは護ることだけです。でもそれもお勧めしません。私、大切なご主人を護るため手段を選ばないので…… 2018年10月17日 あん?なんだお前。その布邪魔じゃないかって?俺だってこの布好きで被ってるんじゃないんだからな!? 博士にお前の姿は一般人には刺激的過ぎるからこれでも被ってろと言われてるんだ。さっさとどっかいけ。さもないと博士に見つかって造り替えられちまうぞ? 2018年10月18日 村外れの小屋にいるあの生き物はなんなのだろう。 人語を話せぬが顔は女のそれで。しかし村長に聞いても知らぬ存ぜぬと返され、他の大人に聞いても同様。 子供に聞いても知らぬと返されれば、己の頭がイカれたのではないかと不安になり、その小屋には近づかなくなった 2018年10月19日 温室の植物達の手入れで時間がかかるのが、害虫の駆除と雑草取りだ。だが最近植物につく害虫が激減どころか見かけなくなった。むしろこれは異常だ。 成長記録の為に録画していた映像を確認してみると、原因がわかった。 少しばかり物騒な見た目だが、温室の住人が増えたようだ。 2018年10月20日 五ツ尾の獣に出会ったら、聞くのは帰り道だけ。獣に何を言われてもそれ以上話してはいけない。 過去・未来・人の心の内まで見通す獣は、人が絶望していく様を見るのが好きなのさ。その言葉は甘く心地よいが振り切って帰り道だけを聞いて帰ってくるんだ。いいね。 2018年10月21日 著名な民族学者の、俺のようなこそ泥には理解できないコレクションで埋め尽くされたお屋敷に忍び込むと、警報が鳴らない代わりに衝撃を受けて意識を手放した。 目を覚ますと縛られ身動きが取れず、いつか漫画で見たような半人半獣に見下ろされていた。 「さて、何を差し出す?」 2018年10月22日 ついこの間首が伸ばせる事に気付いてから、気を抜くと…特に寝ている時に無意識に首が伸びてしまうようになってしまいました… この前は授業中居眠りしてて首が伸びて机の下にゴトンっと落ちてビックリして身体は立ち上がっちゃうし、たんこぶは出来るし… どうしたらいいのか… 2018年10月23日 「あ、あの和尚さん、あれは」 「あまり見てはいけないものですよ」 「なぜここに…」 「縁あって流れ着いたのです。真似事を始めたのは最近ですね」 「いつまでいるのでしょうか?」 「さて、それはなんとも…。でも、気を付けなさい。あれは良いものではないのだから」 2018年10月24日 花はお好きですか? 今宵は珍しい花を摘んで来たのでご覧になりませんか? こちらは木漏れ日の花です。月明かりを浴びると木漏れ日のように光るのです。やわらかで綺麗ですよ。 何故月明かりなのか、ですか? それは宵闇の精霊である私が大切に育て摘み取ってきた花だからですね 2018年10月25日 吊られたい方はいらっしゃいませんか? お祈り懺悔沐浴葬儀埋葬墓石までついたお買い得な片道切符だ! 会場は城下町の広場っ 片想いのあの子もあの人も見に来てくれるかもしれないよ 2018年10月26日 境界線がないので何かしら纏わないと誰にも認識して貰えないのです。服も良いのですが、鬘や帽子、顔に化粧をする必要があって。 手っ取り早いのは塗料を被ることなんですよ。手っ取り早いだけで怖がられるし一応全裸扱いになるので怒られもします。 透明なのも面倒なんですよ? 2018年10月27日 はいはいちょっと場所をあけてね~何匹か撃ち落とすから。 箒で何するのかって?この箒はあんたらで言うところのバズーカ?みたいな事もできるのさ。 相手はお空の上だろって?だから場所をあけてって言ってるの。 わかんないかなぁ巻き込まれたくなきゃどっか行きなよって事! 2018年10月28日 どうも。今から人生終わらせるみたいだったから来てやった。 手助けなんてしやしないよ。 してもいいけどコレ見えてる?楽じゃないし滅茶苦茶痛くて苦しくても良いなら手伝うのも吝かじゃあないなぁ。 あら、も少し生きるって? 止めるために来た訳じゃないんだけど、まあいいや 2018年10月29日 意思はかたいですか? 手に武器を握っていますか? 腹は据わっていますか? 僕は君と共に闘うモノ共に逝くモノです 2018年10月30日 ……上手く配合できんな。 またあいつらに素材を狩ってこさせないと。 あとパッチの腕を縫う糸が足りないから紡ぎ屋に使いを出さないと──いっそ縫うより薬でくっつけるか?いやサンプル試験で上手くいかなかったか…。あとはお仕置きをどうしたもんか── !Happy Halloween! ⇒ 創作 TOP → YELLOW PILLOWS TOP ハロウィン怪物月間