『ブラッディサニー組』とは。
Twitterの診断メーカーの診断結果をもとに始まった、
はちすさん(@hati_su8)との共同創作です。

登場人物であるアル・シャインに関してはこちら
相方として登場するレーヴ・ウェイクマンさんは、はちすさん(@hati_su8)の創作されたキャラクターです。

この小話は2021年9月に発行したまとめ本「BLOODY SUNNY From 2015 to 2021」のweb掲載版となります。
掲載順も本と同様となります。


── Interlude 05

「…どれでも変わらなくなった」
急な呟きに何がと問えば、腰掛けているベッドへぽんと手を置いた。確かに昨日からこの部屋に移ったので家具も変わっている。
「ちょっとの好き嫌いはある、よ?」
いつになく言葉を紡ぐレーヴに驚きつつも、アルはソファに腰を下ろして彼に言葉の続きを促す。
「でも、アルと眠るとあたたかいから、夢見れるから、どれでも一緒になっちゃったなって」
そう言い、レーヴは後ろへ──ベッドへ倒れ込んだ。
アルは意味を理解するのに暫し時間を要し、理解してからは思考も身体も固まってしまい何も答えられない。
固まらせた本人はベッドでごろごろしながら「ひとりだと、なんか違う」とまた動けなくさせてきた。
動揺を悟られぬ様ソファに深く背中をあずけた。

【隣の体温が変わらなければ】


仕事中に振りだした雨は、事が済み依頼人の待つ酒場へ向かう頃には上がっていた。まだ厚い雲が頭上を占めるが、遠くにいくにつれ薄く明るくなっている。そのうちこの辺りも晴れるだろう。
「私は依頼人の元へ報告に行くが、どうする?」
「んー……、今夜はちよっと面白いゆめ…みれたから、みんな動き出すまで外にいたい、かも」
とんっ
「そうか」
とんっとんっ
二人並んで暗い路地を進んでいるが、普通に歩いていたら聞こえない音が時々響く。
「ふふ、楽しそうだな」
暗い路地から少し開けた街灯のある通りへ歩みでた際に、アルがレーヴに問いかける。
「そう、かな?」
水溜まりを小さく飛び越して、アルを水溜まり分追い越したレーヴがくるっと振り返る。揺れる髪飾りや耳飾りがぼんやり灯る街灯の光にきらめく。
「こんなゆめ、昔見たかも」
小さく笑うと、またレーヴは水溜まりを飛び越した。


【雨上がりのステップ】

End.

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